統計データ
「教師は役立たない」という批判はよく聞きます。「先生は何もしてくれなかった」という批判の声を、元当事者があげることもしばしばあります。そして、「何かしてくれても、無駄だった」という意見もよく聞きます。
では、全体的な傾向として、教師の介入の程度とその効果は、どのようになっているのでしょうか。
森田洋司ほか『日本のいじめ』(金子書房、1999)より
いじめ被害全体の中で、教師が知らない、あるいは何もしてれないという人の割合は、なくそうと努めてくれた割合よりも少ないというデータがあります。これは10年以上前のデータであるため、今は改善されている可能性もありますが、この数値を高めることは重要となるでしょう。
一方、教師がいじめをなくそうとしてくれたケースにおいては、6割以上が「なくなった」「少なくなった」という結果になっています。介入の方法論をより効果的なものにすることで、この割合を向上させることも重要となります。
いじめへの介入が逆効果になる場合は、その介入の仕方が問われる必要があるでしょう。教師への相談をしやすくし、認知割合を高めながら、効果的に対応していくこと。そのための方法論をシェアすることが急務となっています。